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10月28日 特別公開講座 片山 博詞氏 ワークショップ「ふれる×つくる×わかちあう」

2018年11月09日活動報告

連動企画の特別公開講座「感性がひらかれるとき 触常者 広瀬浩二郎×彫刻家 片山博詞」、2日目の10月28日は片山博詞さんのワークショップ「ふれる×つくる×わかちあう」を開催しました。


 
布に包まれた彫刻作品と、アイマスク、粘土、そして小さな紙袋が置かれたテーブルが並ぶ会場の様子に、参加者たちは、これから何をするのか、楽しみにしているようでもあり、少し緊張しているようでもありました。



同じテーブルについた4~5名は、障がいの有無、年齢に関わらず、一緒にこの日の創作や鑑賞を楽しむグループの仲間です。各グループの「視覚に頼らない体験」のサポートをするスタッフも含め、まずは、お互いを知るために、自己紹介をし合いました。


「アイマスクをして紙袋の中のものにじっくり触れて、何かを発見してください。そして粘土を使って表現してください」
片山さんの呼びかけに、アイマスクを付けた参加者は、そっと紙袋に手を伸ばしました。
「あっ、何かわかった!」子どもの元気な声が響きました。
ざわざわとした楽しそうな声はすぐにおさまり、指先で細かく形を確かめたり、香りを嗅いだり、頬を寄せたり、それぞれ集中して創作の対象を感じていました。




 
5分間、対象に触れじっくり感じ取った後、いよいよ粘土を使って感じたものを表現し始めました。
静かな会場に、粘土に触れる音だけが響き渡り、それぞれが自分の世界に入り集中しているのが伝わります。
見えないからこその自由の中に居るように感じました。








 
完成した作品はアイマスクをしたまま、触れて飾り台の形を確かめ、グループごとに展示しました。
手探りで前に置かれた作品を確認しながら、自分の作品をどこにどう置くか決めていく行為を通して参加者同士の感性がつながり、それぞれの作品同士の関係性も現れます。
アイマスクを外した参加者たちは、やっと見ることができた自分の作品、他の方の作品を嬉しそうに眺め、見えない方にも様子を伝えていました。



 






後半は、片山さんの彫刻作品を触れて鑑賞しました。
大きく全体を手で包み、気になるところを何度も確かめ、ゆっくりと気づき、味わう時間となりました。





同じグループの視覚に障がいがある方の感想の、その鋭さや細やかさに驚く声や、視覚障がいのある方が、「姉妹」という作品を「同じグループの仲良し姉妹みたいだ」とお話する場面もありました。
普段はできない体験の中であたたかい交流が生まれたようです。



 
鑑賞後、片山さんより触れて鑑賞することにより見ただけでは伝わらないものを感じ取ってもらえることの喜び、そして、作品を通して多くの人と出会えることへの感謝の思い、そしてこの日のこの場がユニバーサルな社会へ繋がることへの願いが伝えられました。



参加者からは、視覚に頼って見逃しているものへの気づき、ひとつの感覚を閉ざすことで他の感覚が研ぎ澄まされることの驚き、素晴らしい作品に触れる体験ができた喜びなど様々な感想が聞かれました。



 
今回の2日間の特別公開講座、まさに名前の通り、感性がひらかれる豊かな時間となったようです。

講師の広瀬さん、片山さん、ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。
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