「地域共創論」(1.2年生対象 湯田ミノリ先生担当)のゲストスピーカーシリーズ、今年度第3回目が開催されました。
今回はゲストスピーカーにフィンランドからJenni Mobergさん(0.7 design, CEO)をお招きし、今年で独立100周年となるフィンランドの歴史や社会制度、問題、さらにJenniさんの会社や取り組みについて様々なお話を伺いました。
Jenniさんは小さい頃から取り組んでいたガールスカウトでの人との繋がりから、自分自身は社会問題や自己開発に興味があることに気付いたそうです。また更に、ロシアや日本の文化に興味を抱き、今まで抱いた興味や得た知識を生かして企業での貿易の仕事の経験を経て、フィンランドのデザイナーが作った製品を海外に販売する貿易業務を主に行う0.7 design という会社を起業されました。0.7 design の0.7は、製品を販売した売上の0.7%をUN(国際連合)の活動への支援金に充てることをモットーとしていることからだそうです。
フィンランドは非常に国民の税負担が高く、またその分社会福祉サービスが充実していて教育費や医療費などが無料の国です。一方で、国民の25%は高齢者なほど高齢化がかなり進んでいて、失業率は非常に高く、60%の住民は都市に住むという都市化が進んでいるという多くの深刻な問題を抱える国でもあります。
フィンランドといえば日本人もお馴染のムーミンやサンタさん、それらに伴い北欧デザインが有名です。その中でフィンランドには日本人も好む北欧デザインのデザイナーが多くいますが、製品化したりまたフィンランド内で販売することがなかなか難しい現状があります。そこでJenniさんの会社である0.7 design がデザイナーと顧客との橋渡しの役割をし、国内を超えて海外や商品の発信、販売を行って行っています。海外の顧客獲得は通信技術を活用してSkypeなどでの販売や、様々な国の販売イベントで顧客獲得を図っているとおっしゃっていました。
0.7 designはこの夏にEYHプログラムで学生がインターンシップに行った企業の一つでもあります。その学生は、高齢の方の作った作品を販売することにより、高齢の方にも収入を得る機会を増やすことができる "Terveisi? Iso?idilt?!"(おばあちゃんからこんにちは!)プロジェクトをさらに進展させたそうです。高齢化が進むフィンランドで、フィンランドデザインを広めながら高齢者の方も活躍する機会を増やすことのできるこのプロジェクトが今後も広まることにより、フィンランドにあるものを生かした国の発展にも繋がるプロジェクトであると感じました。
Jenniさんは講演の最後に、学生に向けて変化を恐れず、未知なことを恐れずに行動に移すこと!という熱いメッセージをくださいました。同じ日本にも馴染みのある社会問題でも、実際にその国に住む方からのお話はまた違う印象や考えを得ることができ、海外でビジネスを行うことの話も将来日本以外の国で活躍したいと考えている学生にとって非常に刺激的なお話だったのではないかと思います。
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フィンランドで作られたシラカバを材料としたバッグと
フィンランドデザインの生地で作られたポーチを紹介して下さいました!→
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